健診後に受診を勧め、本人とも話したけれど、受診の予定が決まらない。次も同じように声をかければよいのか、総務の担当者が迷うことがあります。

遠瀬郷の小さな作業拠点を担当する総務が、本人の返答を責任者に伝え、保健師と次の働きかけを考えたケースです。地域・企業・人物・経過は架空です。

「もう一度、連絡しておいて」で続いていた

総務担当者は、健診後に受診を勧めた人の状況を確認していました。ある従業員の欄には、案内を送った日と、再びメールを送った日が並んでいます。本人からの返事はありません。

総務の責任者に相談したときも、「もう一度、連絡しておいて」という話になっていました。

担当者は本人に、個別に話せる時間を確かめて電話しました。

「健診のあとに受診をお願いした件で、ご連絡しました。その後、病院には行かれましたか」

「まだ行っていません」

「受診の予定はありますか」

「まだです。特に困っていることもないので、そのうちでいいかと思っていました」

担当者は、健診結果で受診を勧められていることを改めて伝えました。ただ、電話を終える時点でも、受診の予定は決まりませんでした。

本人と話しても、進まないとき

この会社では、医師への意見聴取や保健師への相談を、総務の責任者が手配していました。担当者は責任者に電話の内容を伝えました。

「受診はまだで、予定もないそうです。特に困っていないので、そのうちでいいと思っていた、と話していました。受診は改めて勧めました。次にどう伝えればよいか、保健師さんに相談できますか」

責任者は、連携している保健師に、これまでの案内と本人の返答を伝え、今後の働きかけを相談しました。保健師からは、本人が健診結果をどう受け止めているかも聞きながら、個別に話す機会を案内してはどうかと提案がありました。

担当者は本人に連絡しました。

「健診結果について、保健師に相談できる時間をご案内できます。結果を見ながら、気になっていることや受診について話せますが、利用されますか」

「電話でも話せるんですか」

「はい。ほかの方に聞こえない場所でお話しいただけるよう、時間を調整します」

「では、結果の見方を聞いてみたいです」

担当者は候補の日時を伝えました。健診結果は本人から保健師へ直接見せられる方法を案内し、相談日時が決まるまでの連絡を引き受けました。

連絡の記録に、次にすることを残す

担当者は、電話で確認したことに続けて、次の対応を書きました。

本人に電話で確認。未受診で、予約もまだない。改めて受診を勧めたが、予定は決まらなかった。

保健師への相談を案内し、本人が希望。担当者が日時を調整中。決まった日時を本人と保健師に連絡する。

この記録を見れば、担当者以外にも、何が確認できていて、次に誰が動くかが分かります。実際の記録には担当者名と日付を入れ、健康管理のために必要な人が扱えるよう保管します。

相談のあとは、本人への今後の連絡を誰が担うか、総務で必要な対応があるかを、保健師と確認する予定も残しました。相談で話した詳しい内容は、連絡の記録とは分けて扱います。

受診勧奨と並行して進める、会社の対応

健診で異常所見があった従業員について、会社には、健康を守るために必要な措置について医師等の意見を聴く義務があります。その意見を踏まえ、必要に応じて勤務時間の変更などの就業上の措置を講じます。厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」

次の連絡を、担当者だけの宿題にしない

同じ連絡を続けている案件があれば、これまでに伝えたことと本人の返答を、健診後の対応を担当する責任者に伝えてみてください。まだ分からないことも含めて、次の働きかけを相談できます。

相談できる医療職が決まっていない場合、労働者50人未満の事業場では、地域産業保健センターが相談先の一つになります。健診結果に基づく健康相談などを行っています。利用できる支援の内容や申込方法は、労働者健康安全機構の公式案内から地域の窓口へ確認できます。