健診後の実務ガイド|受診の案内

本人への案内と、仕事上の配慮を分けて考える。

案内したか、記録したか、専門職に相談する情報がそろっているか。順に確認します。

案内

本人に伝わっているか

結果通知と受診を勧める案内の状況を確認。

記録

いつ、どう案内したか

案内日と方法を残し、次に確認できるようにする。

相談

仕事の情報もそろえる

勤務形態や作業内容を踏まえて、医師等につなぐ。

要受診・要精検への対応の考え方

健診結果に「要受診」「要精検」と書かれている人がいると、会社としてどこまで関わればよいのか迷いやすくなります。

まず押さえておきたいのは、「要受診」「要精検」は、医療機関の受診や精密検査が勧められている状態を示す判定であって、それだけで直ちに就業制限を意味するものではない、ということです。

一方で、会社が何もしなくてよいわけでもありません。

法定健康診断で異常の所見があると診断された労働者については、会社は就業上の措置に関する医師等の意見を聴く必要があります。受診の案内と並行して、意見聴取の準備を進めます。

案内から記録・相談へ

実務上は、次の順番で考えると進めやすくなります。

  1. 要受診・要精検の対象者を把握する
  2. 本人に結果が通知されているかを確認する
  3. 受診を促す案内を行う
  4. 案内した日や方法を記録する
  5. 医師等に伝える業務内容・勤務状況を整理する
  6. 異常所見があると診断された人について、医師等の意見を聴く
  7. 医師等の意見を踏まえて、会社としての対応を検討する

受診の案内と、情報の確認

受診勧奨では、結果票に示された受診の案内や時期を確認して伝えます。一律の期限を担当者だけで決めるのではなく、時期や対応が不明な場合は健診機関や産業医等に確認します。

ただし、受診したかどうかを会社がどこまで確認するかは、会社の規程、業務内容、健康情報の取扱い、本人の同意などによって慎重に考える必要があります。特に、受診結果の詳細を会社が当然に把握できるわけではありません。

会社として確認したいのは、病名そのものよりも、仕事を続けるうえで配慮が必要かどうかです。

たとえば、夜勤、長時間労働、車両運転、高所作業、重量物取扱いなどがある場合、健診結果だけでなく、業務内容との関係を踏まえて医師等に相談したほうがよいことがあります。

担当者だけで勤務の可否を決めない

ここで担当者が避けたいのは、二つの極端です。

一つは、本人任せにして対応を止めてしまうこと。もう一つは、担当者だけで検査値を読み込み、勤務の可否まで判断してしまうことです。

会社の役割は、その中間にあります。

本人への案内を行い、必要な情報を整理し、医師等に意見を聴くべき場面を見落とさない。これが、要受診・要精検と書かれていたときの基本的な動き方です。

本人への案内文の例

健康診断の結果に、医療機関への受診・精密検査の案内がありました。結果票に書かれた内容や受診時期を確認し、医療機関へご相談ください。

受診日程と勤務の調整が必要な場合は、担当窓口へご相談ください。体調や働き方について相談したい場合も、産業医等への相談方法をご案内します。

送付前に、自社の担当窓口と連絡方法を入れます。他の従業員に受診勧奨の対象者が分からないよう、本人ごとに連絡してください。受診状況を確認する場合の目的・範囲・方法は、社内の取扱いに沿って別途案内します。

案内しても返答がないときは?

まず連絡が本人に届いているかを確認し、案内日と再連絡の状況を記録します。勤務の都合などで受診しにくい事情がないかを確かめ、必要な調整を相談します。返答がないことだけで、健康上の問題がない、または就業できないと判断しないようにします。

参考:厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」。本ページの手順・文例は、指針を踏まえた実務上の整理例です。

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