梱包がつらい。台を買い替える前に、何を確かめればいい?

注文が増え、焙煎を終えてからの仕事が長くなった。店主は梱包台を買い替えようと考える。台の上には、発送を早く終えるために集めた物が載っていた。

梱包台と周囲の資材を見渡し、配置を考える焙煎所の店主。奥に焙煎機、脇に資材棚と発送用の台車がある。

焙煎のあとに残る仕事

最後の箱に送り状を貼るころには、焙煎所の外が暗くなっていた。

店主は発送する箱を数え、注文の一覧と照らし合わせた。初めて見る名前がある。一度買ってくれた人からの注文もある。自分で焼いた豆を、また選んでもらえた。それは、何度見てもうれしかった。

けれど、今日はずいぶん箱詰めをしていた気がする。焙煎と片付けを終え、豆を袋に詰めたところで、ようやく箱を出した。そこから夕方までは、すぐだった。焙煎の記録を見返そうと思っていたが、もう帰りたかった。

開業前、焙煎機をどこに置くかはずいぶん考えた。梱包には、手持ちの台が使えそうだった。袋を並べて箱を一つ置ければ足りる。注文が少ないうちは、本当にそれで間に合っていた。

いまは空箱も緩衝材も増えた。台を空けるために箱を左の足元へ置き、テープは商品とぶつからない右奥へ移した。できた箱は、ひとまず後ろへ。それぞれ、そう置いた理由があった。

立ち止まると、腰のあたりが重い。長く立っていたからなのか、台が低いのか。昼間は終わらせることばかり考えていて、自分がどう動いていたかは、よく覚えていなかった。

帰る前に、作業台を検索した。広くて、高さも変えられる台が並んでいる。これなら箱詰めも早く済みそうだ。寸法を見て、いまの場所に入るか考えたところで、手が止まった。広い台を入れたら、その横の棚と発送待ちの箱は、どこへ置けばよいのだろう。

補充に立つのが嫌だった

翌朝、台を測る前に、いつもの箱を一つ組み立ててみた。

足元から空箱を取る。商品を入れてから、箱越しにテープへ手を伸ばす。封をした箱を後ろへ置くときには、身体をひねっていた。試しにテープだけ手前へ移すと、それはすぐ取れるようになった。

空箱も緩衝材も、近くに置けばいいのかもしれない。店主は、今日使いそうな資材を台の上へ集めた。

ところが、箱を開くと端が緩衝材に当たった。よけた先には、これから使う空箱がある。商品を並べる場所を作るために、さっき載せた物をまた動かした。

緩衝材を半分戻そうとして、手が止まった。途中で足りなくなるのが嫌なのだった。袋詰めを済ませ、箱詰めに取りかかったら、そのまま最後まで終えたい。資材を取りに立つたびに、まだ終わらない仕事を数え直すような気分になる。

店主はもう一度、緩衝材を脇へずらして箱を開いた。開けるには開けたが、箱のふたを押さえながら、隙間へ商品を入れることになった。この台のままで一日分を手元へ置くなら、毎回こうして場所を作ることになる。

しばらく迷って、補充分を戻した。左脇の棚には、すぐ使う空箱と緩衝材を置く。台の中央を空けると、ようやく箱を開いたまま商品を並べられた。

これで途中に補充が要る。早く終えるつもりで片付けたのに、やることが一つ増えたようで、少し納得がいかなかった。

発送待ちには台車を使うことにした。背後へ振り返って置くのをやめ、身体ごと向ける横の位置へ寄せる。棚と台車の間に実際に立ってみて、通り道に張り出していた台車を少し引いた。

見直す前の配置。空箱は床の左側、テープは台の右奥、発送待ちは作業者の背後に置かれている。
この店で試す配置。空箱と緩衝材は左脇の棚、テープは台の手前、発送待ちは右脇の台車に移している。

午後の梱包で、棚の緩衝材が足りなくなった。店主は仕上げた箱を台車へ置き、補充に行った。束を持って戻り、いつものように全部置きかけてから、一部を予備の場所へ戻した。

空いた台に次の箱を開く。今度は、置いてある物を動かさずに済んだ。

台の注文をいったん待つ

台を買う話は、その日のうちに決めないことにした。配置を変えたばかりで、何がまだ使いにくいかを見てから選びたかった。

よく使う箱では気にならなかったことも、まとめ買い用の背の高い箱では違った。商品を入れるときより、箱の上でテープを引くときの方が、手の位置は高くなる。低いと思っていた台を高くすれば、この箱の封まで扱いやすくなるのか、店主にはまだ分からなかった。

購入候補の寸法のそばに、使う箱の大きさを書き添えた。次に台を選ぶときは、商品を詰めるところと封をするところの両方を確かめるつもりだった。

その日は発送を終えてから、予備の緩衝材を手元へ足しすぎないようにした。空いた作業面をそのままにして、テープを手前へ戻す。明日は、この状態から始められる。

帰る前、前の晩に見られなかった焙煎の記録を開いた。次に試したいことを書き留めて、閉じた。今日は、ここまでやって帰りたかった。

翌朝、店主は空いた梱包台の横を通って、計量器の前へ立った。ここに並べるコーヒーの袋は、まだできていない。豆を量り、袋に入れ、口を閉じて、ラベルを貼る。箱詰めを始めるまでにも、手を動かす仕事が待っていた。

自分の職場で考えるとき

作業台や置き場を考える際は、使う人の体格、姿勢、荷物の重量、作業の頻度や時間などを合わせて見る必要があります。厚生労働省の指針でも、不自然な姿勢を避ける配置や、台車等による人力の負担の軽減を扱っています。本文の箱の比較と配置図は、こうした考え方を参考にした架空の例で、指針に掲載された事例ではありません。

厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」(2013年6月18日改訂)。「2 作業管理」、別紙「Ⅰ 重量物取扱い作業」「Ⅱ 立ち作業」を参照。2026年10月5日確認。

配置を変えれば不調が解決するとは限りません。腰の痛みや不調がある場合は、作業の見直しと併せて医療機関等へ相談してください。