ストレスチェック実施後の対応

面接の申出から、会社の対応と記録まで

ストレスチェックの結果は本人に通知され、面接指導が必要と判断された方には申出の方法等が案内されます。会社は、申出があった場合の医師面接の手配、医師の意見を踏まえた対応、必要な記録を進めます。

会社として必要な対応を進める際も、個人結果を自由に集めてよいわけではありません。申出窓口や医師の依頼先を実施前から決めておくと、結果通知後も進めやすくなります。

このページでわかること

結果通知と、会社が扱う情報

本人への結果通知は、実施者の確認・判断を経て行います。高ストレスに該当するか、面接指導が必要かといった評価結果も通知の対象です。

高ストレスという評価だけで、病気や就業可否が確定するわけではありません。高ストレスに該当しなかった人の不調も、結果だけを根拠に軽く扱わないようにします。

情報・手続 基本的な流れ
個人のストレスチェック結果 実施者等から本人へ通知。会社への提供には本人の同意等の条件がある
面接指導が必要な方への案内 対象者本人へ、申出窓口・方法等を案内する
面接指導の申出 本人から会社へ。外部機関を経由する方法もある
面接指導後の会社の対応 会社が医師の意見を聴き、必要な就業上の措置を検討・実施する

本人同意による個人結果の提供は、結果通知後に同意を確認する扱いです。受検前に一括で同意を取り、会社が全員の結果を取得する運用にはしません。

一方、面接を申し出た事実や、面接後に会社が健康確保のために受け取る情報もあります。事前の説明で「会社には何も伝わらない」と約束せず、どんな手続で何が伝わるかを案内します。

面接指導の案内から申出まで

面接指導の対象者には、本人だけが内容を確認できる方法で案内します。対象者だと周囲に分かる封書を職場で配るなど、面接の対象であることが推測される方法も避けましょう。

申出を受ける窓口、申出方法、日程調整を誰が行うかは、事前に決めます。20人・1拠点の架空例であれば、総務が会社の調整窓口になり、実施機関への問い合わせ先を周知する形も考えられます。ただし、窓口担当でも、個人結果を自由に閲覧できるわけではありません。

実施前に決めること 結果通知後に使う場面
面接の申出窓口・方法 本人が面接を申し出る
医師面接の依頼先・利用条件 会社が依頼できるかを確認する
日程調整の担当 本人・医師等と日時や場所を合わせる
勤務状況等の受渡方法 面接する医師へ必要な情報を渡す
結果と記録の保存・閲覧権限 保存先や必要時の取出方法を確認する

連絡先と担当は、社内で引き継げる場所にまとめます。個人の回答や健康情報を扱う記録とは分けて管理します。

申出があったら、遅滞なく面接指導を進める

対象者から申出があった場合、会社は遅滞なく医師による面接指導を実施します。日程・場所を調整し、労働時間、業務内容など、医師が面接に必要とする情報を整えます。

個人結果を医師へ渡す際は、会社が内容を閲覧することを前提にせず、受渡方法を確認します。実施機関と医師が直接受け渡す、密封して送る、本人が持参するなど、プライバシーを確保できる方法を確認します。

この面接指導は通常の保険診療とは異なり、費用は事業者が負担します。オンラインで行えるかは、医師や依頼先の条件を確認してください。結果通知のあとで依頼先を探すことにならないよう、委託先選定の段階で確認しておきます。

50人未満の事業場では、地域産業保健センターの面接指導も選択肢になります。利用条件や申込方法は最寄りの窓口へ確認してください。ストレスチェックの検査自体や実施者の引受けを依頼する窓口とは異なります。

医師の意見を聴き、会社が対応を決める

面接指導後は、遅くとも1か月以内に医師から意見を聴きます。会社はその意見と本人の実情を踏まえ、必要な措置を検討・実施します。措置を決める際は本人の意見も聴き、十分に話し合うことが大切です。

医師の意見を受け取ったら、誰が内容を確認し、業務の調整を決め、実施状況を確かめるかを社内で決めます。職場の管理職に伝える場合も、業務調整に必要な情報の範囲を考え、詳細な健康情報を広く共有しないようにします。

面接の申出、未受検、結果提供への不同意、面接を申し出ないこと等を理由とする不利益な取扱いは行ってはいけません。結果だけを理由に不利益な扱いをすることも避けます。医師の意見等を踏まえた健康確保に必要な措置とは区別し、法令・指針の手順に沿って進めます。

記録・保存と行政報告を確認する

「結果の保存」と一括りにせず、次の記録ごとに整理します。

記録等 保存・取扱いの確認点
個人のストレスチェック結果 会社に提供されない結果は、実施者等が適切に保存できる体制を会社が整える。実施者等による5年間の保存が望ましい。本人同意により会社が提供を受けた結果は、会社が記録を作成し、5年間保存する
面接指導の結果の記録 会社が作成し、5年間保存する。閲覧できる人を限定する
集団分析の結果 職場改善に使い、5年間保存することが望ましい
労働基準監督署への実施状況報告 常時50人以上の労働者を使用する事業場が対象。個人結果を提出する報告ではない

個人結果の保存は、厚生労働省の指針「結果の記録と保存」に沿って、義務と推奨を区別します。委託先の保存期間や契約終了後の扱いも確認してください。2028年の50人未満への実施義務拡大と、行政報告の対象は同じに扱いません。最新情報は厚生労働省の制度案内で確認できます。

面接を希望しない方への案内

本人が面接を申し出ない場合も、利用できる相談先やセルフケア資料を案内できます。こころの耳の小規模事業場向けページには、相談先を追記して使える従業員向けリーフレットがあります。

日頃から不調の相談がある場合は、ストレスチェックの判定や申出の有無だけで対応の要否を決めません。本人の選択と情報の扱いを守りつつ、必要な相談先につなぎます。

個人への対応と並行して、職場全体の仕事の進め方を見直す場合は、集団分析と職場改善で考え方と例を紹介しています。

内容確認日:2026年10月15日