ストレスチェックの委託先選び
費用と、会社に残る作業の比べ方
ストレスチェックの委託先は、「どこまで依頼でき、会社に何が残るか」と、その範囲に必要な総額を確認して選びます。実施者を含めて頼む方法と、既存の医師等と事務サービスを組み合わせる方法があります。
このページでは、候補先に聞くことと、見積もりの比較項目をまとめています。実施者がまだ決まっていない会社でも使える問い合わせ文も掲載しています。
このページでわかること
まず、委託したい範囲を整理する
「実施者付き」「代行」「システム利用」では、サービスの中身が違います。次の3点をそれぞれ確認しましょう。
| 確認すること | 具体的に聞くこと |
|---|---|
| 実施者を用意できるか | 有資格の実施者による確認・判断まで含まれるか |
| 事務をどこまで頼めるか | 名簿登録、案内、回収、集計、通知、問い合わせ等を誰が行うか |
| 利用する仕組みは何か | Web・紙の条件、必要なメールや端末、会社側で行う設定 |
実施者が付いていても、事務がすべて代行されるとは限りません。医師による面接指導を依頼できるか、その費用が含まれるかも別に確認します。実施者と実施事務従事者の違いを先に読むと、質問を整理しやすくなります。
見積もり前に自社の条件をそろえる
人数・拠点、希望時期、紙・Webの希望、メールや端末、現在の契約、委託したい範囲を整理します。受検対象者の人数が未確認なら、そのことも伝えます。自社の条件を整理する例も参考になります。
従業員のメールアドレスがない会社も、利用できる方式を探せます。紙のほか、メールを使わず個別のID等で回答できるWebサービスもあります。利用条件は候補先ごとに確認してください。
「メール不要」だけで決めず、案内やIDをどう本人へ渡すか、本人が結果を確認でき、権限のない人には見られないか、端末を共用できるか、パスワードを忘れた場合は誰に連絡するかまで聞きます。私用スマートフォンの使用を前提にできるかも、社内で確認しましょう。
委託しても会社に残る作業を確認する
名簿の作成や社内での受検予告は会社側で行うなど、委託後にも準備・調整が残ることがあります。次の表で、候補先の回答と自社で行うことを確かめてください。
| 候補先へ聞くこと | 回答から確認する点 |
|---|---|
| 実施者は誰が用意するか | サービス内で確保できるか、既存の医師等へ依頼する必要があるか |
| 受検者名簿を誰が作成・登録するか | 指定形式、会社での修正、登録期限 |
| 従業員案内と操作問い合わせは誰が担当するか | 文面の提供と実際の配布、問い合わせ窓口の違い |
| 紙の配布・回収を誰が行うか | 印刷、封入、回収方法、郵送・発送の分担 |
| 未受検者への連絡を誰が行うか | サービスからの通知と社内での声かけの範囲 |
| 本人への結果通知はどう行うか | 通知方法と時期、実施者の確認・判断との順序 |
| 面接指導の申出・依頼先はどこか | 申出窓口、利用条件、日程調整、医師意見の受け取り |
| 集団分析で何を受け取れるか | 集計単位、回答数の条件、帳票と読み方の資料 |
| 結果をどこで保存するか | 保存期間、閲覧権限、費用、契約終了後の取扱い |
| 必要な範囲の総額はいくらか | 基本料金、最低料金、追加費用、面接実施時の料金 |
既存の医師を実施者にする場合
会社が契約している医師へ実施者を依頼するなら、その医師が必要な結果を確認し、判断できる仕組みかを確かめます。医師用の画面があるか、資料の受渡しや確認期限、通知までの連絡方法を、医師・サービスの双方と合わせます。「医師名を登録できる」ことだけで、連携の確認を終えないようにしましょう。
保管と契約終了後の扱い
翌年に業者を変える場合も考え、過去の結果を誰が保存し、必要時に誰が取り出せるか確認します。会社が自由に個人結果を受け取る前提にせず、実施者等の保存体制と引継ぎ方法を聞きます。記録ごとの扱いも参照してください。
人数単価だけでなく、必要な範囲の総額で比べる
1人当たりの料金が同じでも、最低利用料金、紙・郵送、実施者、保管、集団分析の条件で総額が変わります。これらはサービスによって基本料金内の場合も、別料金の場合もあります。
見積もりは、同じ人数・受検方法・依頼範囲でそろえます。まず面接指導が発生しない場合の総額、次に面接が必要になった場合の料金条件を聞くと、条件の違いが分かります。すべての従業員に医師面接の費用が生じるわけではありません。
「無料」のサービスも、無料になる範囲と会社で担当する仕事を確認しましょう。一般のセルフチェックを従業員へ案内するだけでは、法定制度の実施体制を整えたことにはなりません。
候補先へそのまま聞ける質問例
実施者がまだ決まっていない場合
次は、20人・1拠点の架空の会社が問い合わせる例です。人数や条件を自社に合わせて書き換えて使えます。
初めてストレスチェックを実施する会社です。従業員20人・1拠点で、従業員個人の業務用メールアドレスはありません。実施者は未定です。実施者の確保も含めて依頼できる方法、会社側で行う作業、面接指導の依頼先を教えてください。利用できる受検方法と、必要な範囲を含む総額のお見積もりもお願いします。実施時期は検討中です。
既存の医師等へ実施者を依頼する場合
実施者は、すでに契約している医師へ依頼する予定です。その医師が必要な結果を確認し、判断できる画面・資料や連絡方法はありますか。事務代行を依頼できる範囲と会社に残る作業、結果の保管・契約終了時の扱いを教えてください。人数・実施時期・受検方法をお伝えしますので、必要な範囲の総額と、面接指導を依頼する場合の料金条件もお願いします。
問い合わせに従業員の個人結果や病名を添える必要はありません。
厚生労働省は、実施機関向けにサービス内容事前説明書のモデルを用意しています。実施体制・方法・料金・面接指導・情報管理などの説明を受ける際に使える資料です。候補先へ、対応内容をこの様式等で説明してもらえるか尋ねる方法もあります。
回答を記録し、社内で選定・契約する
候補先の回答と決めた分担は、見積書や説明書と一緒に残します。未確認の項目には、次の質問・確認担当・期限を添えます。依頼先を決めるときのチェックリストで、確認漏れを見直せます。
なお、「報告書付き」という表示では、個人結果、集団分析、医師意見、行政への実施状況報告のどれを指すかも確認します。作成と提出の代行も同じではありません。
制度や導入の相談先は、厚生労働省の小規模事業者向け案内にまとまっています。
内容確認日:2026年10月15日