第12話 家族時間が侵食:仕事の境界線を“仕組み”にする(通知・時間割)

売れ始めると、仕事は「量」だけ増えるんじゃありません。
時間の外側に出てきます。

昼に終わらないから夜へ。
夜に終わらないから朝へ。
そして気づくと、仕事が「仕事」だけではなく「生活」に食い込んできます。

この回は、根性論ではなく、境界線を仕組みで作る回です。


境界線が壊れると…

  • 夕食中に通知を見る
  • 返信だけ…のつもりが、30分消える
  • 家族と話しているのに、頭は明日の段取り
  • 休んでいるのに、引っかかりが残る

これ、本人の意志が弱いからじゃない。
境界線が「ルール」じゃなく「気分」になっているからです。


まず決める:通知は“開ける時間”を固定する

通知は、来ること自体が問題じゃない。
「いつでも開けられる」状態が問題です。

おすすめは、通知をゼロにすることじゃなく、開ける時間を固定すること。

例:

  • 朝:出荷・在庫・問い合わせを一度確認
  • 昼:問い合わせを一度確認
  • 夕方:当日分を締める(返信はここまで)

それ以外の時間は、通知が来ても開けない。
返信は「見る時間」にまとめて、作業中は見ない。
スマホの設定で「通知をまとめる/時間帯で制限する」。これだけでも効きます。


次に作る:時間割は“理想”じゃなく“現実”で

時間割を作るとき、やりがちなのが「理想の一日」です。

理想は崩れます。
崩れた瞬間に、全部がなし崩しになります。

だから、時間割はこう作る。

  • 必ず出る仕事(出荷、焙煎、袋詰め)
  • 割り込む仕事(問い合わせ、クレーム、急な在庫切れ)
  • 見えない仕事(仕入れ、経理、SNS、改善、焙煎機まわりの手入れ

この3つを分けて、割り込み枠を最初から入れる。
割り込み枠がないと、家庭に割り込んできます。


境界線を守る合言葉を1つ決める

第11話は「書いて止める」でした。
第12話は「言って止める」です。

「いまは家の時間。仕事は○時から。」

長い言葉が出ない日は、これだけでいい。

「いまは家。」

誰に言うというより、自分に言う。
言葉があると、戻れます。


“家族時間”は、長さより「途切れないこと」

忙しい時期に、毎日2時間の家族時間は難しい。
でも、毎日10分なら守れることが多い。

  • 夕食の最初の10分はスマホを開かない
  • 子どもが寝る前の10分は話を聞く
  • 風呂上がりの10分は明日の話をしない

小さくても、途切れない。
これがあると、生活が崩れにくい。


サイン:境界線が崩れてきたら

  • 通知を見る回数が増える
  • 家族といても気が焦る
  • 休日に「結局やってしまう」
  • 眠りが浅くなる(第11話に戻る)

この状態は、「もっと頑張る」では直りません。
仕組みに戻します。


忙しい時ほど、これを守って(境界線編)

「通知は開ける時間を固定。家の時間は言葉で守る。」


明日やること(3つ)

  1. 通知を開ける時間を決める(例:朝と夕方の2回)
  2. 1日の時間割に「割り込み枠」を最初から入れる(30分でいい)
  3. 家族時間の合言葉を1つ決める(「いまは家。」

他業種の読み替え:受注=問い合わせ/出荷=締切工程/改善=見えない仕事/境界線=事故予防と回復の土台

※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。

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