売れ始めると、仕事は「量」だけ増えるんじゃありません。
時間の外側に出てきます。
昼に終わらないから夜へ。
夜に終わらないから朝へ。
そして気づくと、仕事が「仕事」だけではなく「生活」に食い込んできます。
この回は、根性論ではなく、境界線を仕組みで作る回です。
境界線が壊れると…
- 夕食中に通知を見る
- 返信だけ…のつもりが、30分消える
- 家族と話しているのに、頭は明日の段取り
- 休んでいるのに、引っかかりが残る
これ、本人の意志が弱いからじゃない。
境界線が「ルール」じゃなく「気分」になっているからです。
まず決める:通知は“開ける時間”を固定する
通知は、来ること自体が問題じゃない。
「いつでも開けられる」状態が問題です。
おすすめは、通知をゼロにすることじゃなく、開ける時間を固定すること。
例:
- 朝:出荷・在庫・問い合わせを一度確認
- 昼:問い合わせを一度確認
- 夕方:当日分を締める(返信はここまで)
それ以外の時間は、通知が来ても開けない。
返信は「見る時間」にまとめて、作業中は見ない。
スマホの設定で「通知をまとめる/時間帯で制限する」。これだけでも効きます。
次に作る:時間割は“理想”じゃなく“現実”で
時間割を作るとき、やりがちなのが「理想の一日」です。
理想は崩れます。
崩れた瞬間に、全部がなし崩しになります。
だから、時間割はこう作る。
- 必ず出る仕事(出荷、焙煎、袋詰め)
- 割り込む仕事(問い合わせ、クレーム、急な在庫切れ)
- 見えない仕事(仕入れ、経理、SNS、改善、焙煎機まわりの手入れ)
この3つを分けて、割り込み枠を最初から入れる。
割り込み枠がないと、家庭に割り込んできます。
境界線を守る合言葉を1つ決める
第11話は「書いて止める」でした。
第12話は「言って止める」です。
「いまは家の時間。仕事は○時から。」
長い言葉が出ない日は、これだけでいい。
「いまは家。」
誰に言うというより、自分に言う。
言葉があると、戻れます。
“家族時間”は、長さより「途切れないこと」
忙しい時期に、毎日2時間の家族時間は難しい。
でも、毎日10分なら守れることが多い。
- 夕食の最初の10分はスマホを開かない
- 子どもが寝る前の10分は話を聞く
- 風呂上がりの10分は明日の話をしない
小さくても、途切れない。
これがあると、生活が崩れにくい。
サイン:境界線が崩れてきたら
- 通知を見る回数が増える
- 家族といても気が焦る
- 休日に「結局やってしまう」
- 眠りが浅くなる(第11話に戻る)
この状態は、「もっと頑張る」では直りません。
仕組みに戻します。
忙しい時ほど、これを守って(境界線編)
「通知は開ける時間を固定。家の時間は言葉で守る。」
明日やること(3つ)
- 通知を開ける時間を決める(例:朝と夕方の2回)
- 1日の時間割に「割り込み枠」を最初から入れる(30分でいい)
- 家族時間の合言葉を1つ決める(「いまは家。」)
他業種の読み替え:受注=問い合わせ/出荷=締切工程/改善=見えない仕事/境界線=事故予防と回復の土台
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
