初受注ラッシュで壊れるのは、心より先に腰です。
原因は“重さ”より、無理な一発。
箱を持ち上げる。屈む。ひねる。置く。テープを引く。
これを何十回も繰り返す日が、急に来る。
そして翌日、腰が言う。
「もう無理。」
腰を壊すのは“重いもの”じゃない
重いものを持つから腰を壊す——半分当たり。
でも、小さな現場で多いのはこっちです。
- 中腰のまま作業する
- 床で箱詰めする
- 台が低すぎて、ずっと前かがみ
- 急いで、ひねって置く
- 一発で運ぼうとする
重さより、姿勢と回数。
つまり「工程の作り方」です。
まず決めるのは、台の高さ
梱包作業は、台の高さでほぼ決まる。
目安は難しくない。
- 肘が自然に曲がる高さ
- 肩がすくまない
- 背中が丸まりにくい
目安は、前腕が水平で作業できる高さ。
床置きや低い机だと、作業が始まった瞬間から負けます。
「一発で運ぶ」が一番危ない
ラッシュの日ほど、やりがち。
「これ、まとめて持っていこう」
腰はこの瞬間に壊れます。
対策はシンプル。
- 2回で運ぶ(時間は増えない。事故が減る)
- 箱は小分け(無理に大箱に寄せない)
- 安全に無理なく持てる形にする(箱を切って加工するのは危ない)
※基本は小分け。箱を切る等の加工は避ける。
一発で取り返そうとしない。
第9話の「刻む・止める」と同じです。ここでも効きます。
梱包は“腰”だけじゃなく、ミスも呼ぶ
梱包が雑になる日は、ミスも出ます。
- 伝票の貼り間違い
- 数量違い
- 同梱物の入れ忘れ
- テープの甘さで破損
カッター作業が増える日ほど、手元が雑になる(刃は短く、体の外へ)。
腰が痛いと、判断力も落ちる。
だから梱包は、安全と品質の両方に関係します。
体のサイン(健康管理)
痛みは「気合いで押し切る」ほど長引きます。
違和感の段階で、当日中に作業を変える(台の高さ/床作業/一発運搬を潰す)。
翌日に残る痛みは、工程が負けてきたサイン。次のラッシュまでに手当てする。
※しびれ・力が入らない・強い痛みが続く場合は、無理をせず医療機関へ相談。
梱包工程を「回る」形にする
ラッシュでも壊れない梱包は、こう作る。
1) 置き場を固定する(探さない)
- 箱
- 緩衝材
- テープ
- 伝票
- 同梱物
置き場が決まっていないと、動きが増えて疲れます。
2) 10件で区切る(焦らない)
- 10件、箱詰め
- 10件、伝票チェック
- 10件、出荷準備
- 区切ると、腰も頭も回復する。
3) 床でやらない(最優先)
床作業は、一発で腰を削ります。
台がないなら、まず台から。
忙しい時ほど、この一言(梱包編)
忙しい日は、立派な改善はできません。
合言葉を決める。
「床でやらない。2回で運ぶ。」
明日やること(3つに絞る)
- 梱包の定位置を決める(箱・テープ・伝票・同梱物)
- 台の高さを決める(前腕が水平に近くなる高さに寄せる)
- 「2回で運ぶ」をルールにする(一発勝負をやめる)
10件ごとに一回止まって、腰を伸ばす(無理な一発をリセット)。
他業種の読み替え:梱包=出荷工程/台の高さ=作業姿勢/一発で運ぶ=無理な一発(まとめ持ち)
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
