第7話 初受注ラッシュ:梱包で腰を痛める前に“台の高さ”を決める

初受注ラッシュで壊れるのは、心より先に腰です。
原因は“重さ”より、無理な一発

箱を持ち上げる。屈む。ひねる。置く。テープを引く。
これを何十回も繰り返す日が、急に来る。

そして翌日、腰が言う。

「もう無理。」


腰を壊すのは“重いもの”じゃない

重いものを持つから腰を壊す——半分当たり。
でも、小さな現場で多いのはこっちです。

  • 中腰のまま作業する
  • 床で箱詰めする
  • 台が低すぎて、ずっと前かがみ
  • 急いで、ひねって置く
  • 一発で運ぼうとする

重さより、姿勢と回数。
つまり「工程の作り方」です。


まず決めるのは、台の高さ

梱包作業は、台の高さでほぼ決まる。

目安は難しくない。

  • 肘が自然に曲がる高さ
  • 肩がすくまない
  • 背中が丸まりにくい

目安は、前腕が水平で作業できる高さ。
床置きや低い机だと、作業が始まった瞬間から負けます。


「一発で運ぶ」が一番危ない

ラッシュの日ほど、やりがち。

「これ、まとめて持っていこう」

腰はこの瞬間に壊れます。

対策はシンプル。

  • 2回で運ぶ(時間は増えない。事故が減る)
  • 箱は小分け(無理に大箱に寄せない)
  • 安全に無理なく持てる形にする(箱を切って加工するのは危ない)

※基本は小分け。箱を切る等の加工は避ける。

一発で取り返そうとしない。
第9話の「刻む・止める」と同じです。ここでも効きます。


梱包は“腰”だけじゃなく、ミスも呼ぶ

梱包が雑になる日は、ミスも出ます。

  • 伝票の貼り間違い
  • 数量違い
  • 同梱物の入れ忘れ
  • テープの甘さで破損

カッター作業が増える日ほど、手元が雑になる(刃は短く、体の外へ)。

腰が痛いと、判断力も落ちる。
だから梱包は、安全と品質の両方に関係します。

体のサイン(健康管理)
痛みは「気合いで押し切る」ほど長引きます。
違和感の段階で、当日中に作業を変える(台の高さ/床作業/一発運搬を潰す)。
翌日に残る痛みは、工程が負けてきたサイン。次のラッシュまでに手当てする。
※しびれ・力が入らない・強い痛みが続く場合は、無理をせず医療機関へ相談。


梱包工程を「回る」形にする

ラッシュでも壊れない梱包は、こう作る。

1) 置き場を固定する(探さない)

  • 緩衝材
  • テープ
  • 伝票
  • 同梱物

置き場が決まっていないと、動きが増えて疲れます。

2) 10件で区切る(焦らない)

  • 10件、箱詰め
  • 10件、伝票チェック
  • 10件、出荷準備
  • 区切ると、腰も頭も回復する。

3) 床でやらない(最優先)

床作業は、一発で腰を削ります。
台がないなら、まず台から。


忙しい時ほど、この一言(梱包編)

忙しい日は、立派な改善はできません。
合言葉を決める。

「床でやらない。2回で運ぶ。」


明日やること(3つに絞る)

  1. 梱包の定位置を決める(箱・テープ・伝票・同梱物)
  2. 台の高さを決める(前腕が水平に近くなる高さに寄せる)
  3. 「2回で運ぶ」をルールにする(一発勝負をやめる)

10件ごとに一回止まって、腰を伸ばす(無理な一発をリセット)。


他業種の読み替え:梱包=出荷工程/台の高さ=作業姿勢/一発で運ぶ=無理な一発(まとめ持ち)

※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。

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