この連載で扱ってきたのは、特別なノウハウではありません。
現場が“回り続ける”ための、考え方の型です。
事故ゼロを叫ぶことでも、
立派なマニュアルを作ることでも、
ルールを積み上げることでもない。
回る現場は、迷った時に戻る場所が決まっています。
今日は、その「戻る場所」を3つにまとめます。
焙煎所に限らず、小さな現場ならどこでも使える形に。
1)止められる:迷ったら安全側に倒す
現場が壊れる時は、同じ順番で進みやすい。
忙しくなる
→ 焦る
→ 迷う
→ そのまま進む
→ 手が滑る/寄る/落とす
だから、最初に作るのは“止め方”です。
「次に同じことが起きたら、どこで止めるか」
止める条件と合言葉が決まっていると、
迷った時に、安全側へ倒せます。
止めるのが“正解”になる現場は、強い。
これは、安全だけの話ではありません。
品質も、手戻りも、疲労も、まとめて減ります。
2)基準を守る:全部ではなく、崩さない線を固定する
現場は、頑張れば何でもできます。
でも、頑張りは続きません。
忙しい日は、なおさらです。
だから、守るのは「全部」ではありません。
崩したら終わる“基準”だけを決めて、守ります。
- ここを下回ったら止める
- ここは曖昧にしない
- ここは確認する
他は、後回しにしていい。
その代わり、基準は崩さない。
守る線がはっきりすると、
現場の揉め事が減ります。
二度見が減ります。
戻る作業が減ります。
そして、焦りも減ります。
3)形を変える:人ではなく、仕組みに落とす
「気をつけます」は、いちばん弱い対策です。
気をつけられない日が、必ず来るからです。
回る現場は、人を責めません。
代わりに、形を変えます。
- 置き場を変える
- 動線を変える
- 言葉を揃える
- 手順を1行にする
- チェックを1つに絞る
形に落ちたものだけが残ります。
そして、改善は派手でなくていい。
週に1つ、形を直す。
それを続ける。
つまずきを“隠さない”。
つまずきの芽は、小さいうちに小さくし続ける。
それが“回る”です。
忙しい時ほど、これを思い出す(最終回)
止められる/基準を守る/形を変える
明日やること(3つ)
1) 止める:迷ったら止める条件を1つ決め、合言葉にする(紙に書いて貼る)
2) 基準:忙しい日でも崩さない基準を1つ決める(下回ったら止める線)
3) 形:形を1つ変える(置き場/動線/言葉/手順1行)
他業種の読み替え:焙煎=熱源工程/EC=出荷工程/回る=止め方・基準・形が揃っている状態
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
