寝不足は、1日なら押し切れてしまいます。
ただし、その日だけならば。
問題は、寝不足が続くと、ミスが「増える」だけではなく、止めどころが分からなくなることです。
手が止まらない。確認が雑になる。焦って取り返そうとして、さらに崩れる。
焙煎所で起きるミスは、腕前というよりも、この形です。
寝不足で判断力が落ちて、ミスとヒヤリが増える。
そして、ある日が来ます。ミスが続く日、ヒヤリが増える日。
(夏はここにブーストがかかります。暑さで疲れが抜けにくく、判断も鈍りやすい。)
寝不足の原因は「忙しさ」より、締切の波が見えていないこと
忙しいから寝られない。
それも事実だけど、もう一段深く見ると、
- どこが山(締切)で
- どこで前倒しできるか
これが見えていないと、毎日が「今日が山」に見えます。
だから毎晩、前倒しできない。止まれない。
寝不足の解決は、まずここです。
締切の波を見える化して、前倒しできる日を固定する。
まずやる:締切を「見える形」に出す
難しい管理表はいりません。これで十分です。
- 発送の締切(集荷・持ち込み・ポスト投函など)
- 焙煎の締切(焙煎→冷却→ガス抜き→袋詰めの都合)
- 在庫の締切(在庫が切れる前の“最後の仕込み”)
この3つを、カレンダーに出します。
見えると、「今日は山か、前倒しできる日か」が判定できます。
次にやる:前倒しの“仕込み日”を固定する
波が見えたら、次は「締切が詰まっていない日」に仕込みを置きます。
たとえば、
- 火曜は仕込み日(焙煎と袋詰めを厚めに)
- 金曜は発送日(出荷を優先)
- 日曜は例外日(無理をしない)
みたいに、曜日に役割を持たせる。
こうすると、「毎日全部やる」から、「今日はこれをやる」に変わります。
最後に入れる:終業前に「明日の3点」を書いて止める
寝不足の人が一番苦しいのは、布団に入ってからです。
- 明日どうする?
- 在庫足りる?
- 返信忘れてない?
これが脳内ループして寝られない。
だから、終業前にここで止めます。
紙に1行でいい。3点書きます。
- 明日の締切(何を何時までに)
- 明日の在庫(足りない物は何か)
- 明日の段取り(最初にやる一手)
書いたら、止めます。
完了してなくても、いったん止める。
「明日の自分に渡した」状態を作る。
サイン:寝不足が“安全の問題”になってきたら
- いつもと違う焦り方をしている
- 手順が飛ぶ(ラベル、計量、封止、確認)
- 片付けが雑になって、床や通路が荒れる
- 些細なことでイラッとする(自分に出るのが先)
この状態は、気合いで耐える対象ではなく、仕組みで戻す対象です。
忙しい時ほど、これを守って(睡眠編)
「締切の波を見える化。終業前に書いて止める。」
明日やること(3つ)
- カレンダーに「締切」を3つ書く(発送/焙煎/在庫)
- “仕込み日”を1日固定する(締切が詰まっていない日に置く)
- 終業前に「明日の3点(締切・在庫・段取り)」を書いて止める
他業種の読み替え:焙煎=生産工程/袋詰め=反復作業/出荷=締切工程/睡眠=安全と品質の土台
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
