第11話 睡眠が削れる:寝不足のまま回さない(締切の波を見える化)

寝不足は、1日なら押し切れてしまいます。
ただし、その日だけならば。

問題は、寝不足が続くと、ミスが「増える」だけではなく、止めどころが分からなくなることです。
手が止まらない。確認が雑になる。焦って取り返そうとして、さらに崩れる。

焙煎所で起きるミスは、腕前というよりも、この形です。

寝不足で判断力が落ちて、ミスとヒヤリが増える。
そして、ある日が来ます。ミスが続く日、ヒヤリが増える日。

(夏はここにブーストがかかります。暑さで疲れが抜けにくく、判断も鈍りやすい。)


寝不足の原因は「忙しさ」より、締切の波が見えていないこと

忙しいから寝られない。
それも事実だけど、もう一段深く見ると、

  • どこが山(締切)で
  • どこで前倒しできるか

これが見えていないと、毎日が「今日が山」に見えます。
だから毎晩、前倒しできない。止まれない。

寝不足の解決は、まずここです。

締切の波を見える化して、前倒しできる日を固定する。


まずやる:締切を「見える形」に出す

難しい管理表はいりません。これで十分です。

  • 発送の締切(集荷・持ち込み・ポスト投函など)
  • 焙煎の締切(焙煎→冷却→ガス抜き→袋詰めの都合)
  • 在庫の締切(在庫が切れる前の“最後の仕込み”)

この3つを、カレンダーに出します。
見えると、「今日は山か、前倒しできる日か」が判定できます。


次にやる:前倒しの“仕込み日”を固定する

波が見えたら、次は「締切が詰まっていない日」に仕込みを置きます。

たとえば、

  • 火曜は仕込み日(焙煎と袋詰めを厚めに)
  • 金曜は発送日(出荷を優先)
  • 日曜は例外日(無理をしない)

みたいに、曜日に役割を持たせる
こうすると、「毎日全部やる」から、「今日はこれをやる」に変わります。


最後に入れる:終業前に「明日の3点」を書いて止める

寝不足の人が一番苦しいのは、布団に入ってからです。

  • 明日どうする?
  • 在庫足りる?
  • 返信忘れてない?

これが脳内ループして寝られない。

だから、終業前にここで止めます。

紙に1行でいい。3点書きます。

  • 明日の締切(何を何時までに)
  • 明日の在庫(足りない物は何か)
  • 明日の段取り(最初にやる一手)

書いたら、止めます。
完了してなくても、いったん止める。
「明日の自分に渡した」状態を作る。


サイン:寝不足が“安全の問題”になってきたら

  • いつもと違う焦り方をしている
  • 手順が飛ぶ(ラベル、計量、封止、確認)
  • 片付けが雑になって、床や通路が荒れる
  • 些細なことでイラッとする(自分に出るのが先)

この状態は、気合いで耐える対象ではなく、仕組みで戻す対象です。


忙しい時ほど、これを守って(睡眠編)

「締切の波を見える化。終業前に書いて止める。」


明日やること(3つ)

  1. カレンダーに「締切」を3つ書く(発送/焙煎/在庫)
  2. “仕込み日”を1日固定する(締切が詰まっていない日に置く
  3. 終業前に「明日の3点(締切・在庫・段取り)」を書いて止める

他業種の読み替え:焙煎=生産工程/袋詰め=反復作業/出荷=締切工程/睡眠=安全と品質の土台

※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。

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