開業準備で、いちばん多いトラブルは何か。
火傷でも、クレームでもない。
搬入で腰を痛める。
「まだ始まってもいないのに?」と思うけど、ここで起きます。
物が届く。予定が詰まる。人手がない。焦る。
そして、やってしまう。
「一発で運ぼう。」
腰は、この瞬間に痛めやすい。
腰を痛めるのは“重さ”じゃない
重い物を持つから腰を痛める——半分当たり。
でも、開業準備で多いのはこっちです。
- 中腰で持つ
- ひねって置く
- 段差で踏ん張る
- 狭い通路で無理に回る
- まとめて運ぶ
つまり、重さより「姿勢」と「状況」です。
搬入は、現場の“第0章”みたいなもの。
ここで腰をやると、その後が全部つらい。
搬入は「工程」にする(気合いでやらない)
搬入は作業です。
作業なら、分けられます。
- 運ぶ
- 置く
- 開梱する
- 片付ける
この4つを、最初から分けて考える。
一気にやろうとすると、腰と時間が両方きつくなります。
まずは、できるだけ「持たない」前提で考える
腰を守る最短ルートは、人力を減らすこと。
持ち上げる回数を減らすだけで、負担は一気に下がります。
- 持つより、転がす(台車・平台車)
- 持つより、載せる(仮置き台を挟む)
- 重いものは無理をしない(搬入・据付を依頼する判断も含む)
そのうえで、運ぶなら次。
通り道と置き場を先に作る。
次に「通り道」を確保する
1) 玄関〜設置場所までを“空にする”
- 箱を置く場所を決める
- 通路を確保する
- 段差(玄関・階段・縁石)を確認する
- ドア幅と曲がり角を確認する(ここで詰まりやすい)
通り道が詰まっていると、持ち方が崩れます。
2) 置き場を先に決める(床に置かない)
床置きが増えると、持ち上げ回数と中腰が増えます。
腰は回数で削られる。
「仮置き台」を1つ作ると、搬入が変わります。
焙煎所の搬入で詰まりやすい3つ
- 袋物(豆):持てるけど腰にくる。置き場を先に決める。
- 箱物(包材):数が多い。床に置かない。通り道を塞がない。
- 機材:本体より周り(排気・作業台)で詰まる。置く順番を先に決める。
搬入順の目安:通り道と置き場を先に確保。機材は「できるだけ短距離で入るタイミング」で。
「2回で運ぶ」を最初からルールにする
搬入は、油断すると一発勝負になります。
だから最初から決めます。
「2回で運ぶ。」
- 回数は増える。でも、無理な一発が減る。
- 事故と痛みが減ると、止まりにくくなる。
- そして翌日も動ける。
“速さ”は、無理をした人が勝つんじゃない。
止まらない人が勝つ。
1人でも回る搬入のコツ
まずは、持たない。
持つのは最後。基本は 「転がす」「載せる」。
- 台車・平台車で運ぶ(持ち上げない)
- 玄関前に仮置き → 台車で室内へ(短距離に分ける)
- 重い機材は、無理をせず搬入・据付を依頼する(腰より納期が大事)
- どうしても持つなら、短距離+仮置き台を挟む
そのうえで、順番はこう。
- 通り道と置き場を先に作る
- 軽い物で環境を整える(通れる/置ける)
- 重い物は最後に、短距離で(台車・仮置き台を使う)
- 持つ回数を減らす(床に置かない)
重い物をいきなり運ぶと、通路も置き場も負けていて、
腰に全部乗ります。
忙しい時ほど、この一言(搬入編)
「一発で運ばない。道を作ってから。」
明日やること(3つ)
- 搬入ルートの段差と幅を確認する(玄関〜設置場所、ドア幅・曲がり角も)
- 仮置き台を1つ決める(床に置かない)
- 「2回で運ぶ」をルールにする(無理な一発を封じる)
他業種の読み替え:搬入=立ち上げ作業/段差=想定外/仮置き台=負担を逃がす仕組み(腰・時間・ミスの全部に効く)
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
