採用直後の現場は、理想と逆になります。
教える側が一番忙しい時期に、教えなければいけない。
ここで起きるのは、能力不足じゃありません。
伝え方が“口頭だけ”になることです。
口頭は、抜けます。
抜けると、事故が起きます。
OJTが回らない原因は「教え方が重い」こと
立派なマニュアルを作ろうとすると、こうなります。
- 書き始めて止まる
- 書き終わらない
- そもそも読まれない
そして現場は、結局「見てて」「さっき言ったよね」になります。
この形は、事故が起きやすい。
OJTで必要なのは、分厚い文章じゃなくて、順番と確認点です。
この回のゴールはこれです
チェックリスト10行で回す。
10行というのは、短くするためじゃありません。
教える側が続けられる目安が、そのくらいだからです。
書くのは3種類(順番・確認・止める)
焙煎所の作業で言うなら、たとえば袋詰めならこう。
- 何をする順番か(手順)
- どこを見てOK/NGか(確認点)
- いつ止めるか(やめる条件)
「いつ止めるか」が入っていると、事故が減ります。
第13話の「止めてOK」が、ここで効きます。
例:袋詰めのチェックリスト(10行のイメージ)
(※項目は職場の手順に合わせて調整してください)
- ラベルは今日のロットか
- 袋のサイズは合っているか
- 計量器はゼロ点を確認
- 規定量まで計量
- 異物がないか目視
- 封止の設定は「いつも通り」か
- 封止後に漏れがないか軽く確認(外観/つまんで開かないか)
- 印字(賞味期限等)の位置と読めるか
- できた物の置き場は決めた場所へ
- 迷ったら止める(「一回止めます。見てください。」)
これを紙で貼ると、OJTが軽くなります。
教え方は「一緒にやる回数の目安」を決める
人によって覚える速さは違います。
でも現場は、無限に付き合えない。
だから先に決めます。
- 最初の2回は並ぶ
- 次は見守る
- 最後はひとりで一回やって、OKなら次へ
回数の目安が決まると、教える側も新人側も安心します。
“いつまで経っても不安”が減ります。
チェックリストは「守れない所」から良くなる
最初から完璧を目指さない。
むしろ、守れない所が出たら勝ちです。
- 行が多すぎる → 削る
- 書き方が曖昧 → 具体にする
- 現場と合わない → その場で直す
現場で直せる形にしておくのがポイントです。
紙なら、赤ペンで直せます。
忙しい時ほど、これを守って(OJT編)
「口頭で済ませない。10行に落として一緒にやる。」
明日やること(3つ)
- 新人が触る作業を1つ選ぶ(袋詰め/計量/出荷など)
- その作業を10行チェックリストにする(順番・確認・止める)
- 最初に“回数の目安”を決めて一緒にやる(例:2回は並ぶ)
他業種の読み替え:袋詰め=反復作業/出荷=締切工程/OJT=事故予防の設計
※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。
