第23話 トラブル回復:事故後の“再発防止”を形骸化させない(続く形にする)

トラブルは、起きます。
ゼロにはできません。

怖いのは、トラブルそのものより、
その後に現場が止まることです。

  • 反省会が長くなる
  • 書類が増える
  • ルールが増える
  • 結局、続かない
  • そして、次も同じ所でつまずく

第23話は、再発防止を「続く形」に整える話です。
やることを絞って、形骸化を防ぎます。

※重大事故や法令・顧客対応が絡む場合は、必要な手順(報告・調査・是正)を優先します。
本稿は、日常の小さなトラブルで再発防止を形骸化させないための「運用の型」を扱います。


まず考える:次はどこで止めるか

原因を掘り下げること自体は大切です。
ただ、最初に「なぜ?」を詰めすぎると、議論が人の話に寄りやすく、現場が黙ります。

だから最初に、迷ったら安全側に倒す“合図”を作ります。

「次に同じことが起きたら、どこで止めるか」

止め方が決まると、再発のブレーキが先に入ります。
原因の整理も進めます。ただ、深掘りは落ち着いて(週次レビュー等)行います。


再発防止は、要点を「1枚に集約」する

報告を増やすことが目的ではありません。
現場で使える形に、要点を1枚へ集約します。

書くのは、まず4つ。

1) 何が起きたか(事実を1行)
2) どこで止めるか(サイン/合言葉)
3) 何を変えるか(形で1つ)
4) いつ見直すか(来週の週次レビュー)


止め方を「条件」と「言葉」にする

事故は、焦りの日に起きます。
焦っている時ほど、止まれません。

だから、止める条件を作ります。

(例)

  • ラベルが読みにくい → その場で手を止める/貼り直す
  • 封が甘い気がする → 一度止めて、手順を確認する
  • 排気の音がいつもと違う → 焙煎を止めて点検する
  • 足元が滑る → そこで止めて拭く(続行しない)

大事なのは、止めるのが“正解”になることです。


変えるのは「形」を1つ

再発防止で一番多い失敗は、ルールを増やすことです。
第20話でも触れたポイントです。

ここも同様です。
変えるのは、形を1つ。

(例:考え方)

  • 置き場を変える(迷いを減らす)
  • 手順を1行にする(読み返せる)
  • チェックを1つ減らす(守れる)
  • 作業を分割する(焦らない)
  • 台の高さを変える(腰を守る)

“人を変える”ではなく、“形を変える”。


見直しは、来週の週次レビューで区切る

トラブル対応の熱が高い日に、全部決めようとすると、負担が増えて続きにくくなります。
だから、ここで区切ります。

  • 今日は「止める」と「形1つ」まで
  • 見直しは、来週の週次レビューで

これで、次の週次レビューにつながります。


忙しい時ほど、これを思い出す(再発防止編)

「再発防止は、要点を1枚に集約する。」


明日やること(3つ)

1) 見る:起きたトラブルを“事実1行”で書く
 (責めるためではなく、再発を防ぐために。誰が悪いか、は書かない)
2) 決める:「次はどこで止めるか」を1つ決める(合言葉にする)
3) 直す:「形を1つ」変える(置き場/手順1行/チェック/分割)


他業種の読み替え:焙煎=熱源工程/トラブル=不良・事故・クレーム/再発防止=止め方と形の更新

※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。

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