第10話 クレーム初回:返信テンプレと“対応範囲”を先に決める

売れ始めると、ある日「初めてのクレーム」が来る。
忙しい日に限って来る。

読んだ瞬間、胸がギュッとなる。
そして、人は焦る。

  • すぐ返さないと悪い気がする
  • でも、何て返せばいいか分からない
  • 返し方を間違えると、話が大きくなりそう
  • そもそも本当に自分が悪いのかも分からない

ここでやりがちなのが、二択の失敗です。

  1. 即レスでこじれる(感情で返して状況が悪化)
  2. 返信が遅れて悪化(遅れたことが新しい不満になる)

この回の結論はこれ。

クレーム対応は“文章力”ではなく、運用で回す。

時間がないなら、文章で頑張らない。考え方(運用)を変える。

やることは2つです。

  • 返信テンプレを用意する(迷わない)
  • 対応の線引きを決める(消耗しない)

まず、対応を迷わないために、クレームを3つに整理します

全部を同じ熱量で扱うと、現場が詰まります。
「今やるべきこと」が見えなくなるからです。

A)正当な不具合(こちらが直すべき)

例:

  • 商品違い/数量違い
  • 破損・漏れ
  • 明らかな焙煎ミス・風味の異常(客観性がある)

まずお詫びする。事実確認して、再発送・返金などの手当て。

B)期待とのズレ(説明不足・解釈の差)

例:

  • 「思ったより苦い/酸っぱい」
  • 「香りが弱い」
  • 「到着日が想像より遅い」(表記はしていた)

共感+説明+代替提案が効く。
(相手を否定しないのがコツ)

C)攻撃的な表現/要求が過大なケース(対応の線引きが必要)

例:

  • 罵倒・人格攻撃に近い表現
  • 過剰な金銭要求
  • やり取りが長期化(同じ確認が繰り返される)

線引きが本体。 深入りすると、体力が削られやすい。


返信テンプレ:まずはこの3通を用意する

テンプレは立派じゃなくていい。
「迷わず出せる」ことが価値です。

テンプレ1:受領(まず止める)

件名:お問い合わせありがとうございます(確認中です)

本文:

ご連絡ありがとうございます。状況を確認しております。
まず、【注文番号/商品名/到着日/状態】を教えていただけますでしょうか。
確認でき次第、対応をご案内いたします。

ポイント:受領で止める。即答しない。


テンプレ2:不具合対応(謝って手当て)

件名:このたびは申し訳ございません(対応のご案内)

本文:

ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
確認のうえ、【再発送/返金】にて対応いたします。
お手数ですが、【写真/状態の詳細】をご共有いただけますでしょうか。
こちらで確認でき次第、手続きを進めます。

ポイント:言い訳より先に手当て。


テンプレ3:期待とのズレ(共感+説明+提案)

件名:ご感想ありがとうございます(ご提案)

本文:

ご連絡ありがとうございます。ご期待と異なる点があったとのこと、申し訳ございません。
コーヒーは焙煎・挽き目・抽出条件で印象が変わりやすいため、差が出ることがあります。
もしよろしければ、【抽出方法/挽き目/湯温/抽出時間】を教えてください。
状況に合わせて、調整のコツやおすすめの方向性をご案内します。

ポイント:相手を否定しない。調整案に誘導する。


“対応の線引き”:店主を守るルール

ここを決めないと、クレームが「仕事」だけではなく「生活」に食い込んできます。

線引きの例(最低3つ)

  • 攻撃的な表現が続く場合は、事実確認と対応範囲の案内に絞り、そこで区切る
  • 要求が過大な場合は、可能な範囲を提示する(返金上限、交換条件など)
  • やり取り回数を決める(最大2往復まで、など)

たとえば、こう案内します。
「ご要望は承りました。恐れ入りますが、こちらで可能な対応は○○までとなります。
以上の範囲でのご案内となりますこと、ご了承ください。」
必要以上にやり取りを長引かせないための区切りになります。


忙しい時ほど、この一言(クレーム編)

クレームに焦ったときは、これ。

「まず受領。即答しない。」

もう一つ。

「事実と手当て。感情で返さない。」


明日やること(3つに絞る)

  1. テンプレを3通作る(受領/不具合/期待ズレ)
  2. 線引きを3つ決める(攻撃的表現/過大要求/回数)
  3. 返信の時間帯を固定する(作業中に読まない)

※本連載は、複数の現場の“あるある”を詰め込んで一般化し、分かりやすさのために再構成した架空の設定です。

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